工場・作業現場の見える化に挑戦!BLEと電子ペーパーで手軽にデータ確認(その2)
こんにちは、前回に続き、システムファイブ株式会社のIです。
今回は、電子ペーパー端末「PAPER S3」を使って、実際にBLEデータを表示する試作をしてみた様子をご紹介します。
まずは開封の儀!
PAPER S3の箱はこんな感じ。

開封して電源を入れると、最初からデモプログラムが入っており自動で起動しました。

スルーするつもりだったのですが、画面に「SCAN」というボタンが見えたので気になってタップしてみたところ…
SSID(Wi-Fiアクセスポイント)がズラッと一覧表示!
(SSIDはモザイクしてあります)

ちょっと寄り道:Wi-Fiアナライザーを作ってみた
引っ越しのときに「Wi-Fiチャンネルが混雑してるなぁ」と思った記憶が蘇り、
つい「これ、Wi-Fiアナライザーにできるのでは?」と寄り道することに。
幸い、デモプログラムは M5Burner でいつでも再書き込みできるので気楽に挑戦できます。
PAPER S3 を使うため、Arduino IDEにM5Stackの開発環境をインストールし…

ボード設定で M5PaperS3 を選択。

あとは ChatGPTにサンプルコードを作ってもらって→テスト→修正→見栄え調整 をひたすら繰り返し。
・SSIDをチャンネル(中央値)ごとにグループ表示
・RSSIに応じてアンテナアイコンを変化
・ステルスAPは「unknown」で表示
(SSIDはモザイクしてあります)

おおお それっぽくなってきた。
しかし問題が…
めちゃくちゃチャンネルが被ってる…。
さらに作ってから気づいたのですが、この機種のWi-Fiは2.4GHzオンリーでした。
「うーん、これはあまり使い道がないかも…」ということで、寄り道はここまでにして本題に戻ります。
BLEセンサーのデータを電子ペーパーに表示してみる
今回の本題はここからです。
工場や現場には多種多様なBLEセンサーが飛び交っています。
ここも弊社ソリューション 「すいすいケア」 のセンサーが動いている関係で、電波飛び交っています。
テスト環境としては最高です。
まずは MACアドレスでフィルタリングし、手元のセンサーだけ表示するように作成。
ちなみに手元のセンサーはこれら。
・温湿度センサーx3 (iBS03T)
・マグネットセンサーx2 (iBS01H、iBS05H)
・人感センサーx1(iBS03R)
・距離センサーx1(iBS05R)
・近接センサーx1 (iBS02IR2)

BLEのペイロードを解析して、見やすく整形して表示する仕組みを実装。
「この表示された値が “いつのデータなのか” が分からないと意味がない。」
本来なら時計(RTC)で日時を表示したいところですが、PAPER S3はNTP同期前提。Wi-Fiが使えない環境も想定すると、時刻表示は現実的ではないと判断しました。
そこで発想を転換し、「センサーデータを更新してからの経過時間」を表示する方式に変更。
さらにスペースが余っていたので、電池電圧も一緒に表示させることにしました。これは意外と便利。

今後の改善ポイント
次に追加してみたいのは、
・SDカードからの設定読み込み
・受信データのロギング(SDカード書き込み)
ただし、ひとつ気になる点が…。
PAPER S3の電子ペーパー(E Ink)は書き換え寿命が約100万回とのこと。
表示更新を1〜2分に1回とすると、ざっくり2〜3年で寿命になります。
「更新頻度、どうしよう…?」というのが現在の課題です。
次回は、更新頻度を工夫しつつ、どこまで実用的な“現場モニター”にできるか検討してみたいと思います。
いや、EnOcean受信機の件始めないといけないな・・
